【理科教育法Ⅰ】第3回の復習・発展学習のご案内

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今週の投票のテーマは、「理科の資料集、使ってた?」でした。

 中学校では教科書以外の補助教材として、「最新理科便覧」(浜島書店)などのオールカラー版の資料集を使うことがあります。

 が、昭和の時代から比べると、全国的にも部数はかなり減っているようです。少子化を筆頭に、教科書がカラーで資料集っぽくなったとか、ICT化でネットの資料を使うようになったからいらないとか、ご家庭の経済的な負担軽減とか、登下校時の生徒の荷物をできるだけ軽くするためだとか、理由は、いくらでもあげられます。もちろん、編集側も色々な工夫を重ねて年々その質が向上していますが、大きな潮流は変えられずにいるようです(それだけにもったいない)。

 時代の流れとともに消えていく運命だといわれればそれまでなのかもしれませんが、このような紙の資料集にもなかなか捨てがたいメリットがあります。
 3年分の理科の学習を1冊にコンパクトにまとめている点や、オールカラーであのページ数で600~800円程度の価格設定は、なかなかありがたいものです。(学校で使っている補助教材は、学校ごとにまとめて買ってくれて、返品が基本的にないので、本屋を通して売る本よりも流通コストがかなりおさえられるため、安く販売することが可能なのだそうです。)
 また、クラスに一人か二人、授業中に関係ないページをボーッと見ている生徒もいます。さらに、卒業後、他の教科書やノートは捨てても、何故か理科の資料集はおもしろいからと捨てずに持っているという人もいて、結構な「理科ヲタク養成ギブス」だったりもするんです。

 そう考えてみると、中学理科の教員免許をとろうとしている、理科教育法を履修している皆さんなどには実はうってつけのアイテムではないかということに気が付きました。
 みなさんが取得しようとしている免許は、中学校/高等学校教諭一種(大学院生なら専修)免許・教科(理科)。つまり、中学校、高等学校の理科だったら物化生地どこでも教えられる免許です。ということは、それなりにみあった理科の知識が必要なのはいうまでもありませんね。「いや~ぼく、手術とかよくわからないんですよね」というお医者さんに手術してもらいたくないでしょう?
 ところが、理学部の学生でも案外、専門外のところだと中学理科の知識でも不十分な点があったりします。例えば教育実習で地学なんてやろうとすると、まずは実習生自身が、自分が教えようとする中身をそれこそ初めて学ぶかのように(そんなはずはないのですが)勉強するところから始まることも珍しくありません。
 そこでこんな資料集をもっていると、知識の不十分な点はもちろん、教科書よりちょっとマニアックな解説なども大きな学びになるんじゃないかなと、ちらっと考えています。

そのマニアックな解説の一部が、こちらになります。
中学理科(教員向け) 一口メモ・生物編
中学理科(教員向け) 一口メモ・地学<地球下層の部>編
中学理科(教員向け) 一口メモ・地学<地球上層の部>編
中学理科(教員向け) 一口メモ・物理・化学編
中学理科(教員向け) 一口メモ・生物(第7単元)編

※こんな話を聞いて、資料集がほしくなったという受講者の方がいたらご相談ください。


コンピュータや情報通信ネットワークなどの活用

ICT(教育の世界ではITといわずICTといいます)機器を活用した授業事例をもとに、ICTの活用の可能性と留意点を検討しましょう。

このサイトを知らないとは潜りだといわれても仕方ない必修サイト
理科ねっとわーく…小・中・高等学校の授業で使える理科教育用デジタル教材を集めたWebサイト。国立研究開発法人科学技術振興機構から国立教育政策研究所に移管
NHK for school

特に地学単元は、授業でも使えそうなサイトがたくさんあります。
また、気象単元では、最新の気象観測データも必要になってくるかと思います。そこで、無料で見られる気象データの入手先リンクをネット上の気象データの入手にまとめておきました。
また、地質柱状図を含めた地質図についても、地質柱状図で地盤をチェック!にまとめてあります。

そして忘れちゃいけない天体ソフトMitaka 国立天文台謹製。

あと、太陽系はスッカスカなのを実感するためにうってつけな、If the Moon Were Only 1 Pixelというサイトがあります。ただ、このサイトを授業で生徒に使わせるかは、意義(費用対効果ならぬ時間対効果)の有無、もっと言うとこの活動を面白いと感じるか否かについて、意見が分かれるだろうな(どちらかといえば否定的な方が多そうだと)、と思っています。私は結構好きだけど。

音の大きさ・高さや直流・交流の学習ではオシロスコープを使うことがあります。かつて、オシロスコープは安くても10万近くするため、1台しか買えないでしょう。予算が厳しい学校だとオシロスコープがない学校もあってもおかしくありません。ついでにいろいろスイッチやつまみもあり、操作も難しそうでした。ところが、マイクで音を拾ったり、電流の大きさを測ってオシロスコープのように波形を示すパソコンソフトが登場し、班ごとに実験ができるようになり、さらにスマホやタブレットのアプリとなって個人で遊べるようにさえなりました。これはでかいことです。(オシロスコープのアプリは何種類かあるので、興味のある人は検索してみてください)

それから花の名前(他には魚の名前など)を教えてくれるアプリもあります。名前を知りたい花を見かけたら、写真を撮り、その画像を登録すると、AIが何の花か推定してくれます。ただし、明らかに「それ違うだろ」というケースもありますので、そんなときは画像をアップロードすると、親切な人が「それは〇○ですよ」と教えてくれます。あとはその花の名前で検索して確認すればほぼ間違いありませんね。(花の名前を教えてくれるアプリも何種類かあるので、興味のある人は検索してみてください)

さらに昨今の技術進化には目をみはるものがあり、VRとARを駆使した生物図鑑や、化学実験を体験するようなものさえ出てきています。(これも例を挙げるとキリがないので検索してみてください)

ということで、毎年、理科教育法でICTの話をするたびに、どんなソフトやアプリがあるか紹介するものが変わっています。
ひとまず、いろいろなサイトを見たりソフト(アプリ)を「これはこんな時に使えそうだ」という視点をもって体験してみましょう。

ICT活用の留意点・番外編。
 機械ものは突然動かなくなることがあります。特に動画を見せようとなると、動画ファイルと再生ソフトとの相性(プラグインやらコーデックやら)、パソコンとプロジェクタをつなぐケーブルのタイプとかあるので、授業の前の日に、授業と同じファイル、パソコン、ケーブル、プロジェクタ、スピーカーで再生ができたのに、当日やってみるとなんかうまくいかない…という可能性も0ではありません。授業が始まっているのに、1~2分いじっても治らない場合は、それ以上やると授業時間が削られ、生徒を待たせてしまうので、ICTなしで授業せざるを得ません。とはいえ、教育実習生だと焦りもあるなかで指導案からの変更を強いられるので、精神的にかなりつらいところです。(5/30追記)



「エネルギー」領域の学習内容
 いよいよ理科の内容の話になります。
新指導要領で学習内容がどう変わったかはこれを見るとよいでしょう。
小中校の理科の新指導要領と現行指導要領の対照表(東京書籍作成)
小学校理科 学習指導要領 新旧対照表
中学校理科 学習指導要領 新旧対照表
高等学校理科 学習指導要領 新旧対照表

その中で指導要領改訂による中学校エネルギー領域(物理的領域)の学習内容の主な変更点は次のとおりです。
まず、指導要領では各内容のまとまりの中で、 ア で示された身に付ける知識及び技能。
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そして、イ で示された思考力、判断力、表現力等
「各学年で主に重視する探究の学習過程の例」(指導要領解説13ページ)と赤字の部分を突き合わせてみましょう。
最後の第7単元については「科学的に考察して判断すること」と「科学的に考察」して(他の要因も入れながら価値)「判断する」というところにも注目です。
3576-5.jpg 3576-6.jpg

また、中学の物理領域の指導のポイントとしては
 今日の授業でやったように、中学生にわかるように説明する(定義づける)ことが難しい「エネルギー」(「力」「電流」でやっても)について、そもそもエネルギー(「力」「電流」)とは何かということをあやふやにしたまま、どのようにイメージづくり、かっこよく言うと概念形成をしていくかにかかっています。高校ほど数式というツールが使えないのも痛いところです。(もちろん、数式でわかる人、数式でわかったつもりになる人、数式でシャッターを閉じる人、いろんな人がいるので万人に有効というわけではありませんが)
 とにかく概念形成に成功すれば「簡単じゃん!覚えることも少ないし」となりますし、失敗すると「なに?物理わけわかんない!」ということになり、結構その差が生物などと比べて激しいのはご承知の通りです。
 そして、その差は案外わかっている人には当たり前すぎるような些細なことにきづいているかどうかで、そこさえ気がつけば一気に視界が開けてくるミラクルもあるのが物理だ、ということは女子中学生の物理あるあるでも話ししましたので、リンク先をご覧ください。

その他、中学理科「エネルギー」領域の教科書レベルが教えられそうだ、という方は次のような話題でさらにステップアップを目指しましょう。
実像と虚像 ~そこに光はあるのかい?~
凸レンズでできる像 レンズの公式編
「重さ」と「質量
アラゴの円盤
液体の密度=固体の密度 の場合、どうなる?
ヘリウムの風船と慣性の法則(1)
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