君たちはどう分けるか (1) 違い

新しい学習指導要領は中学校理科では生物領域が派手に変わりました。その中でも目玉は、1年生に「生物の特徴と分類の仕方」が入った点でしょう。そのあたりをどう授業で扱うかなどを語ったり議論したりするのは、その新指導要領が始まる前がゴールデンタイムです。
関係者から注目されているし、自分の趣味主張(主義主張ではない)に基づいて好き勝手言ってやらかすことができるので…。教科書のようなスタンダードが出てしまうと、それにとらわれてしまって外れることはやりにくくなります。
それはなんというかマイナーなアイドルを応援していたファンが、そのアイドルが有名になるにつれだんだん興味をなくし、別のマイナーなアイドルを応援しだすのに似ています。ちょっと違う気もしてきた。

さて、「生物の特徴と分類の仕方」は学習指導要領にはこうあります。

(1)いろいろな生物とその共通点
(ア)生物の観察と分類の仕方
○イ 生物の特徴と分類の仕方  いろいろな生物を比較して見いだした共通点や相違点を基にして分類できることを理解するとともに,分類の仕方の基礎を身に付けること。


さらに解説には、こうあります。

㋑ 生物の特徴と分類の仕方について  
 (略)…いろいろな生物を分類するためには,見いだした共通点や相違点などを基に, 分類するための観点を選び,基準を設定することが必要であることを理解させる。また,この観点や基準を変えると,分類の結果が変わることがあることを見いださせ,幾つかの分類の結果を比較することを通して,生物の分類の仕方に関する基礎を身に付けさせる。 …(略)…
なお,ここでの分類は,観察及び資料等から見いだした観点や基準を基にして行わせるものとし,目的に応じて多様な分類の仕方があり,分類することの意味に気付かせるような学習活動を設定することが重要であり,学問としての生物の系統分類を理解させることではないことに留意する。


あー そーゆーことね 完全に理解した ←わかってない

分類っていうと図書館で「『授業をもっと面白くする! 中学校理科の雑談ネタ40』という本はどこの棚にあるでしょうか(答え:置いてない(泣))」とか、理科でも「物質は有機物と無機物に分けられる」とか、日常生活で、「これは燃えるゴミ、あれは燃えないゴミ、それは資源ごみ…」とか「これも愛、あれも愛、たぶん愛、きっと愛」とかいうのが思い浮かびますが(最後のは思い浮かばない)、「生物の特徴と分類の仕方」はそれらを生物を対象にしてやろう、という話ではないのですね。

何が違うのか。

ある本が図書館の分類(日本十進分類表)のどの分類に属するのか、いくつかの物質が有機物と無機物どちらに属するのか、あるゴミが何ゴミに属するのか、というのはいずれも「総記、哲学・宗教、歴史、社会科学、自然科学…」「有機物、無機物」「燃えるゴミ、燃えないゴミ、資源ごみ」と分け方がすでに決まっていて、具体的な物(事例)がどのグループに入るかを考えればよかったわけです。考えるといっても、マニュアルに沿って進めていくだけの話で、唯一絶対の正解があり、クリエイティブな要素はそこにありません。

分類する人のクリエイティブな要素を入れてしまうと『授業をもっと面白くする! 中学校理科の雑談ネタ40』という本が、図書館によって教育の棚にあったり自然科学の棚にあったり、はたまた雑談ということでエッセイのところに置かれたりすると、図書館の利用者は「その発想はなかったわ!」と感心することはなく、単に困るだけでしょう。
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どこの図書館にも 375.42理科教育(これが日本十進分類表上の正解)の棚においてあるから、すぐに見つかって読むことができるのです。なので全国の図書館の選書担当の方、『授業をもっと面白くする! 中学校理科の雑談ネタ40』を置いてくださいm(_ _)m

もっとも、マニュアルに沿って唯一絶対の正解を求めていくのは、コンピュータがプログラムに沿ってデータを粛々と処理していくのと同じで、「思考」というよりは「技能」といったほうが近いかもしれません。だとすると、将来的にAIに持ってかれる仕事の一つといえましょう。

ところが、新しく中学理科でやる「生物の特徴と分類の仕方」は…
長くなったのでここで切りますね。


おまけ: 吉野源三郎 『君たちはどう生きるか』(岩波書店) いいよね~。いちいち胸に刺さって出血多量になりそう。
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