【力学的エネルギー8】力学的エネルギーの保存(1) 理想

小球を木片に衝突させてしまう実験では、最初高いところにあった小球の持つ位置エネルギーを運動エネルギーに変換して、疲れからか、不幸にも黒塗りの高級車に追突してしまう…じゃなかった、木片に衝突させていました。

よく考えると位置エネルギーの例で出てきた、上にある金づちを振り下ろして釘にぶつけるのも、釘にぶつかる瞬間は、位置エネルギーではなく、金づちの運動エネルギーとなっています。

そして、次のような振り子の運動のストロボ写真(を図にしたもの)を見てください。
最初はA点にあったのですが、一番下のB点を通り越して、反対側のA点と同じ高さのC点まで上がって、そこからまたB点に向かって戻ります。
3484-1.png

このとき、速さはどう変化しているかわかりますか。
B点付近は振り子の球と球の間隔があいていますから、速さは速いということです。一方、AやC付近は球と球の間隔が狭いので、ゆっくりめということです。もっというと、両端のAとCは振り子の球の運動でいえば折り返し点、向きが変わっている点ですから、このときの速さは0になっています。
つまり、速さはAとCが0で、Bが最大となります。
ということは運動エネルギーも速さはAとCが0で、Bが最大となります。質量はどこにあっても変わりませんから。

位置エネルギーはどうでしょうか。
Bの位置を基準面とすると、位置エネルギーの最小はBで0となります。そしてAとCが最も高い位置なので最大となります。

どこの高さを基準面にとっても位置エネルギーの最小はBで、AとCが最大となることは変わりません。Bの位置を基準面とすると、Bは高さ0なのでBの位置エネルギーが0Jになるというだけです。もし、AとCの高さを基準面とすれば、AとCの位置エネルギーは0となり、それより低いところにあるBの位置エネルギーはマイナスになります。このときもAとCの位置エネルギーが「最大」でBが最小であることは変わりません。


「振り子の位置」と、「運動エネルギーと位置エネルギーの大きさ」の関係を図示するとこんな感じです。
運動エネルギーが大きければ位置エネルギーは小さく、運動エネルギーが小さければ、位置エネルギーは大きくなります。
3484-2.png

そして、位置エネルギー運動エネルギーの和を、力学的エネルギーというのですが、この力学的エネルギーは振り子の位置によらず一定となります。

たとえば、B点を基準面としたとき、A点での位置エネルギーを100Jとすると、運動エネルギーは止まっているから0Jなので、A点での力学的エネルギーは100Jです。
基準面のB点では位置エネルギーは0Jですが、運動エネルギーは100Jで、B点での力学的エネルギーは100Jです。

A点とB点の間のある場所の位置エネルギーは30Jだったら、その場所も力学的エネルギーは100Jですから、運動エネルギーは100J-30J=70J と求めることもできます。

このように
そして、位置エネルギー運動エネルギーの和を、力学的エネルギーが一定であるという法則を、力学的エネルギー保存の法則といいます。




これは2人の間のお金のやり取りをイメージしてもらえばわかりやすいでしょう。
位置さんと運動さんの2人がいます。
最初二人の所持金は、位置さんが1000円、運動さんが0円です。
このあと、位置さんが運動さんにお金を払ったり、運動さんが位置さんにお金を払ったりします。
でも、いくらお金をやり取りしようと、二人の間だけでお金をやり取りする限り、二人の所持金の合計は1000円で変わりません。

まるで落語の「花見酒」みたいですね。

うちの学校にはないけれど、こんな力学的エネルギー保存の法則を説明する装置があります。ただ惜しいのは、この動画の最後の解説。コメントでも突っ込まれているのだけど、誤っているんです。
どちらのルートも最初は同じ高さだから位置エネルギーは等しい。だとすると低ければ低いほど運動エネルギーは大きくなるので、球の速さは速いということ。それが高低差による距離の増加までカバーできれば、遠回りしている手前のルートの方が速くゴールにつくというわけです。
というか、この装置高そう…。安くても5万(教材屋のカタログ価格)はしそうだな。
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