【化学変化と電池07】化学変化と電池(3) ボルタ電池の仕組み

では、亜鉛、銅、塩酸のボルタ電池をもとに、どのような化学変化が起こっているのか考えてみましょう。


まず、銅と亜鉛では以前の実験で、亜鉛は銅よりイオンになりやすい(イオン化傾向が大きい、ということがわかっています)。相対的に、亜鉛はイオンに、銅は原子になりたがるのです。

ということで、電池の亜鉛板も、原子からイオンになります。
Zn → Zn2+ + 2e
イオンになるということは、水溶液中に溶けだしてしまうということです。なので、電池としてどんどん反応が起こると、やがて亜鉛板はボロボロになってしまいます。
それと、亜鉛イオンが1個できると電子も2個できますが、この電子も処分しなければなりません。これについては、ちょっとペンディング。


先に銅の方を見てみましょう。
「銅は原子になりたがる」ということでしたが、すでに銅は原子です。ありゃ。じゃあこれで終わり、何も起こらないか、というとそうではないのです。でも亜鉛側が「原子をイオンにした」手前、やっぱり「イオンを原子」にしなければなりません。
逆に言えば、陽極側で何とかイオンを原子にしないと、そもそも亜鉛側で原子をイオンにできないのです。
でも、ない袖は振れない。じゃ、銅イオンはないけど、ほかにイオンはないか…、ありました。水溶液(塩酸)中に水素イオンがあるじゃないですか!

ということで、銅板表面にある水素イオンが、原子の水素になるのです。で、水素原子は1個だけではいられないので、同じような水素原子同士でペアを作って水素分子Hを作るわけですね。
2H + 2e →H

ちょっと意外なことに、亜鉛と違い、銅は化学反応式に登場しません。つまり、銅は化学変化しないのですね。
そして、こちらは水素分子を1個つくるために、電子が2個必要です。この電子をどこから調達してきましょうか。


もうおわかりですね。そう、亜鉛側でイオンとともにできた電子をここで使うのです。

さて、電子がこのように流れているとき、どちらが電池の+極、-極でしょうか。
電子は、電池の-極側からでて回路を通って、電池の+極側に入ります。
したがって、亜鉛側がー極、銅側が+極です。

全体像をまとめます。
3247-1.png


つまり亜鉛と銅はこういうことだと表にまとめておきます。
亜鉛
イオン化傾向大イオン化傾向小
金属板の原子がイオンになる水溶液のイオンが原子になる
-極+極

+極で「水溶液のイオンが原子になる」とありますが、水溶液中にある陽イオンが、ナトリウムイオンのようにイオン化傾向がかなり大きい場合は、原子になることもままなりません。そうすると
O2+2H2O+4e→4OH
のようなさらに別の反応が起こります。


ボルタの電池の一種に「11円電池」というものがあります。飽和食塩水をしみこませたろ紙(もしくはキッチンペーパー)に1円玉と10円玉を挟むと電池になります。このときは
アルミニウム
イオン化傾向大イオン化傾向小
金属板の原子がイオンになる水溶液のイオンが原子になる
-極+極

となります。
-極では Al → Al3+ + 3e
+極では 2H + 2e →H
となりますが、11円電池でひそかに言いたいことは
円玉が
円玉が

ということです。はい。


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