【水溶液とイオン07】原子の成り立ちとイオン(7) イオンとは

前回は原子の構造に触れました。

原子は、+の電気を持つ陽子の数と、-の電気を持つ電子の数が等しいので全体として電気を帯びていない状態にあるのでしたね。
原子とはそういうものだ、といった直後で大変恐縮なのですが、そういう全体として電気を帯びていないはずの原子が、電子を余計に受け取ったり失ったりして+の電気と-の電気のバランスが崩れて、原子全体として電気を帯びてしまうことがあります。それがイオンなのです。

イオン 原子が電気を帯びたもの

原子が+、-のどちらの電気を帯びやすいかは、原子の種類、すなわち元素によって違いがあります。

たとえば原子番号11番、ナトリウム原子は陽子と電子が11個ずつあるのですが、電子を1個失いがちです。
原子が電子を失うと、-の電気を失うことになるので、原子全体としては+の電気を帯びます。
このように原子が電子を失って+の電気を帯びた原子を陽イオンといいます。
3198-1.jpg
ちなみにこのときできた陽イオンは、ナトリウム原子からできたので、「ナトリウムイオン」といいます。

一方、原子番号17番の塩素原子は陽子と電子が17個ずつあるのですが、電子を1個もらうことが多いです。
原子が電子をもらうと、-の電気をもらうことになるので、原子全体としては-の電気を帯びます。
このように原子が電子を受け取って-の電気を帯びた原子を陰イオンといいます。
3198-2.jpg
ちなみにこのときできた陰イオンは、塩素原子からできていますが「塩素イオン」とは言いません。
この陰イオンを含む物質名はふつう「塩化○○」と言われるので、「塩化物イオン」といいます

イオンを記号であらわすときはイオン式化学式が使われます。
(注・H29改訂の学習指導要領では「化合」と並んで「イオン式」という言葉が使われなくなっています。なのでここは「化学式」としたほうが良いかもしれません。)

陽イオンのナトリウムイオンは Na と+を原子の記号Naの右上に小さくつけます。

ナトリウム原子が電子1個を失いナトリウムイオンになるのを、記号を用いて次のように表すことができます。
Na → Na + e
ここでは電子の記号です。

ほかの陽イオンはというと・・・
水素イオンは  
カリウムイオンは 
銀イオンは Ag

ナトリウム原子や水素原子、カリウム原子は電子を1個だけ失いますが、原子番号12番のマグネシウム原子はイオンになるとき、電子を2個失います。
3198-3.jpg
電子を失って、+の電荷が電子2個分だということを示すために右上に2+をつけます。
マグネシウムイオンは Mg2+
亜鉛イオンは Zn2+
銅イオンは Cu2+です。本当は銅イオンについてはCu2+イオン式化学式の銅(Ⅱ)イオンの他、電子を1個しか失っていないCuという銅(Ⅰ)イオンというのもあるのですが、中学理科の範囲では出番がないので、銅イオンといえば、銅(Ⅱ)イオンCu2+をさします。

2+があるなら3+あるのかといいますと、アルミニウムイオンAl3+がありますが、中学理科ではあまり登場しないかな。

それよりは、窒素原子1個と水素原子4個の原子の団体さん(原子団)が全体で電子を1個失っているというアンモニウムイオンの方をおさえておきたいところです。イオン式化学式NH
上についたり下についたり忙しいです。

ちなみに、ただの+か2+かが迷いがちですが、とりあえずNHKで始まるのは+と覚えておこう(Na、NH4、H、K)あとは中学理科ではややマイナーだけど今度の指導要領では硝酸銀がらみで登場する可能性がある Agかな。

ここまで説明すれば陰イオンである塩化物イオンのイオン式化学式はもうお判りでしょう。
そう、Clです。

塩素原子が電子1個を受け取り塩化物イオンになるのは、次のように記号で表すことができます。
Cl + e → Cl 


は、塩化物イオン以外は、原子団になっているものが多いです。
水酸化物イオン OH
硫酸イオン SO2-
硝酸イオン NO
炭酸イオン CO2-

うわぁって感じがしますが、例えば2年生で学習した化学式で
炭酸水素ナトリウム NaHCO
炭酸ナトリウム Na2CO
炭酸カルシウム CaCO
というのを覚えていれば、炭酸がCOにあたるのかと思っていたのではないでしょうか。
それが炭酸イオン CO2- とつながってあの時のなんとなく気づいた規則性に説明がつくわけです。

ということでもう一度、中学で覚えておきたいイオンをまとめます。
<陽イオン>
ナトリウムイオン    Na
水素イオン        H
カリウムイオン      K
銀イオン         Ag
アンモニウムイオン  NH
マグネシウムイオン  Mg2+
亜鉛イオン       Zn2+
銅イオン         Cu2+

<陰イオン>
塩化物イオン  Cl
水酸化物イオン OH
硫酸イオン SO2-
硝酸イオン NO
炭酸イオン CO2-
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