【水溶液とイオン06】原子の成り立ちとイオン(6) 原子の構造

さて、塩化銅水溶液と塩酸の電気分解についてみてきましたが、
塩化銅CuCl2も塩化水素HClも、水溶液を電気分解すると陽極に塩素が発生しました。どちらもClが入っているから全くありえない話ではないものの、どうして陽極なのでしょうか。
陽極は+の電気。そこに集まるのは、そいつが好きだから。+の電気が好きなのは-の電気の性(さが)だ。
ということは水溶液中の塩化銅や塩化水素の「塩化」の部分(塩素原子)は-の電気を帯びているのではないか。

じゃあじゃあ、塩化銅の「銅」の部分(銅原子)や塩化水素の「水素」の部分(水素原子)が-の電気がある陰極にできたということは、こいつらは+の電気を帯びているのではないか。そんなふうに推測できます。

とはいえ、原子が+の電気、-の電気を帯びているって…

電気を帯びた原子、実は、これこそがイオンってやつなのです。
+の電気を帯びている原子が陽イオン、-の電気を帯びている原子が陰イオン、というわけですが、さらに詳しい話に入るには、原子の構造を知る必要がありそうです…。




原子の構造

原子はこれ以上分けられないとか言われていたけど、原子そのもの、1個の原子は何種類かの粒子が集まっててできています。
まず、原子の中心には、+の電気をもつ原子核があり、その周りに-の電気をもつ電子があります。
さらに原子核は、陽子という+の電気をもつ粒子と、中性子という電気をもたない粒子があります。
陽子1個がもつ+の電気の量と、電子1個がもつ-の電気の量は等しく、下のヘリウム原子の図のように、陽子の数と電子の数が等しいので、原子全体では+にも-にも電気を帯びていないことになります。
3915-1.png

ちなみに陽子、中性子、電子ともに質量がありますが、陽子、中性子の質量は電子の質量の約1840倍と,圧倒的に電子が小さいです。静電気の話も、こすることで-の電気(電子)が移動しますが、その理由は圧倒的に重い(質量が大きい)+の電気を持つ陽子と比べてどちらが動きやすいかを考えればわかりますね。

また、陽子の数が原子番号で、それによりその原子が何の元素であるかが決まります。
また、陽子の数が同じでも中性子の数が違う場合がありますが、元素としては同じです。例えば次の2つの図の原子は中性子の数が2個と1個で違いますが、どちらも陽子は2個なので、同じ元素(ヘリウム)です。
こういうのを同位体というのですが、高校化学の範囲なので、今回はこれ以上ふれません、(「今回」…って、次回はあるのか?)
3195-2.png

どうでもいい話 
 中学校理科ではヘリウムなんてほとんど登場しないのに、原子の構造を示すときに使われる図はヘリウムと相場は決まっています。どうしてでしょうか。
 ヘリウムは原子番号2番。つまり陽子が2個で済むので、図を描くのが楽なのです。
 それなら原子番号1番の水素はどうなの?という気もしますが、普通の水素原子(H)は、原子核には陽子1個のみで、中性子がありません。そのため中性子の説明ができません。
 重水素こと水素2(H)なら陽子、中性子が1個ずつの原子核のまわりに電子1個で、図としてはよさげですが、地球上では、重水素の水素全体の中での存在割合は0.015%となかなかのSSRっぷりです。一般的でないものを例に挙げるのも気が引けます。
 じゃあ、原子番号3番のリチウムは?というとリチウムは陽子3個、中性子4個をもつリチウム7が一般的で、原子核を描くのがちょっとめんどくさくなります。また、電子の方はというと、K殻に2個、L殻に1個とまた複雑なことをしなければなりません。もちろん原子番号4番以上はもっと大変なことになります。
 ということで、わかりやすく原子の構造を示すには、ヘリウム4がベストなんですね。
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