中学理科で解ける センター試験2019 物理基礎編

大学入試センター試験は、高校の学習内容をもとに出題されているわけですが、理科の基礎科目については、よくみると知識レベルは中学校の範囲だったりします。とすると、3年間の理科の知識が定着していて、かつ思考力をフル回転させれば中学生でもなんとかできてしまう問題は何問か紛れています。

2019年度のセンター試験からそんな問題を拾っていきましょう。
まずは「物理基礎」から。

第1問
問2 図2のように水平な床があり、点Aと点Bの間はあらい面に、それ以外はなめらかな面になっている。左側のなめらかな面の上を等速度ですべってきた小物体が、時刻t=0sで点Aを通過し、その後、時刻t B〔s〕で点Bを通過した。小物体の速度v〔m/s〕と時刻t〔s〕の関係を表すグラフとして最も適当なものを下の①~④のうちから一つ選べ。ただし、図2の右向きを速度の正の向きとし、あらい面と小物体との間の動摩擦係数は一定であるとする。
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滑らかな面は等速直線運動、というところで①か②となります。あらい面では力を受けてだんだんと速度が落ちていきます。
正解 ②

問4
原子と放射線に関する記述として最も適当なものを次の①~⑤のうちから 一つ選ぺ。

①原子の種類(元素)は、原子核内に存在する中性子の数によって決まり、その数を原子番号という。
②放射線にはa線、β線、γ線などがあるが、その透過力や電離作用は放射線の種類によらずほぼ等しい。
③私たちは日常生活の中で食物や空気および大地や宇宙からの自然放射線を浴びている。
④X線は電場(電界)と磁場(磁界)が進行方向に対して垂直に振動する縦波であり、胸のX線検診では、X線が縦波である性質を利用して人体組織の疎密を調べている。
⑤原子力発電では、核分裂の連鎖反応が継続しないように原子炉を制御しながら、核エネルギーを取り出している。

放射線は中3(新指導要領では中2でも)で学習しますが、自然放射線が地下、動植物、空気、宇宙からくることは教科書にも載っています。
正解 ③

問5
消費電力が1.4 X 103Wのヒーターをもつ湯沸器で,15℃の水500 gを 95℃まで加熱するのに要する時間は何秒か。最も適当なものを,次の①~⑥ のうちから一つ選べ。ただし、水の比熱を4. 2 J/ (g・K)とする。また,ヒー ターによって発生する熱量はすべて水の温度上昇に使われるものとする。
①1.2×10   ②2.4×10  ③7. 0×10
④1.2×102    ⑤2.4 X 102   ⑥7.0×102

中学だと10の累乗表示に慣れていないでしょうが、たとえば1.2×102=1.2×100=120 ということはわかってもらえると思います。
水が受け取った熱量は
4. 2 J/ (g・K)×500g×(95-15)℃=168000J
これを1.4 X 103W=1400Wで割れば
168000J÷1400W=120s … 正解 ④


第2問
問3
図3のように,20Ωの抵抗A と30Ωの抵抗Bを、6.0 Vの直流電源につないだ。図中の点Pを流れる電流は何Aか。最も適当なものを,下の①~⑤のうちから一つ選べ。
3173-3.jpg
①0.12 ②0.20 ③0.30 ④0.50 ⑤0.60


これ、図がアレなのですが、単に20Ωの抵抗A と30Ωの抵抗Bの並列回路です。それに気づけば中2の理科。
抵抗Aに流れる電流 6.0V÷20Ω=0.3A
抵抗Bに流れる電流 6.0V÷30Ω=0.2A
点Pを通る電流は、0.3A+0.2A=0.5A …正解 ④


問4
次の文章中の空欄[ オ ]・[ カ ]に入れる数値の組合せとして最も適当なものを、下の①~⑦のうちから一つ選べ。
 同じ材質でできた円柱状の抵抗C. Dがあり,Dの直径と長さはCの直径と長さのそれぞれ2倍である。このとき,Dの抵抗値はCの抵抗値の[ オ ]倍であ;。図4のよウに回路をつくったとき、Dの消費電力はCの消費電力の[ カ ]倍となる。
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[ オ ] 長さが2倍になれば、抵抗は2倍になるが、直径が2倍ということは、底面積は4倍となり、抵抗は1/4となる。つまり、DはCに比べて長さで2倍、直径で1/4倍になるので、抵抗は1/2倍となる。
[ カ ] すると電圧はV=RIより抵抗の大きさに比例する。つまり、抵抗Dの電圧は抵抗Cのそれの1/2となる。消費電力P=VIより、電流が等しければ電圧に比例する。したがって抵抗Dの消費電力も抵抗Cのそれの1/2となる。…正解 ③

第3問
A 乾電池により一定の加速度で走行できる機関車の模型がある。(後略)
問2 次の文章中の空欄[ 12 ]に入れる極として最も適当なものを下の①~⑦のうちから一つ選べ。
客車A,Bの運動エネルギーの増加量は、機関車で使用されている乾電池の[ 12 ]の一部が変換されたものである。
①光エネルギー ②熱エネルギー ③化学エネルギー ④力学的エネルギー


※他の問題に関する部分を省略してあります。
乾電池では化学エネルギーを電気エネルギーに変えています。この場合さらに運動エネルギーに変えたわけですね。
正解 ③

B 図2のように、なめらかな斜面をもつすべり台A,Bが水平な床に固定されている。すべり台Aの傾きは、すべり台Bの傾きより小さい。すべり台A,Bの同じ高さの位置から、それぞれ小物体1,2を静かに放すと、二つの小物体は斜面をすべり落ちた。ただし、二つの小物体の質量は等しいものとする。
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問3 二つの小物体が斜面上をすべり落ちている間,小物体1. 2が斜面から受ける垂直抗力の大きさをそれぞれN 1, N 2とする。また. 小物体1, 2が斜面上をすべり始めてから水平な床に達するまでの時問を,それぞれt 1t とする。それらの大小関係の組合せとして正しいものを次の①~⑥のうちから一つ選べ。
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垂直抗力については力の分解ですね。斜面の角度が小さいほど、垂直抗力は大きくなります。
そして、斜面の角度が大きい方が、速度は速くなり、到着時間が短いというのは、斜面を下る台車の運動の実験を思い出せば一発です。
正解 ①

問4
次の文章中の空欄[ ア ]・[ イ ]に入れる語句と式の組合せについて最も適当なものを,下の①~⑥の中から一つ選べ。
小物体がすべり始めてから水平な床に達するまでの間,斜面から受ける垂直抗力は小物体に[ ア ]。この間に、重力が小物体1、2にする仕事をそれぞれWWとすると、その大小関係は[ イ ]となる。
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[ ア ]中学校では、水平方向に動かしても重力に逆らってした仕事は0だということを学習します。ここから、小物体の運動方向と垂直な垂直抗力による力は「仕事をしない」というわけですが、これは中学生だと他の問題以上に(ほとんど無理ゲーなベルに)高いな思考力が必要そうだな。
[ イ ]これ、つまり、斜面のような道具を使っても仕事で得しないという「仕事の原理」のことだよね、と気づけば、WWは瞬殺。気づけばの話ですが。
正解 ⑤

当たり前っちゃ当たり前の話ですが、高校の理科は中学の理科が基礎となっていますよと。
だから高校の理科だけではなく、中学の理科も大切にしましょうね。
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