大塚遺跡見学会 (後編)

江戸の生活道具
大塚遺跡からは、多くの江戸の生活道具が出土 しました。ここでは、その出土遺物の一部をご紹介します。
1.食器
 主に磁器の椀と皿が出土しました。江戸時代、 17世紀中頃から漆器にかわって磁器が日常の食器としてどんどん広まっていった時期です。 産地は備前産(佐賀~長崎県北部)、 瀬戸・美濃産(愛知・岐阜県境)の焼物が主体です。


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2.容器
 甕、瓶、徳利、焼塩壺などは食品あるいは液体を入れる容器です。
 焼塩壺は素焼きにした壺形の土器に塩を入れ、 再度土器ごと焼いたものをそのまま販売したものです。
 徳利の産地は主に瀬戸・美濃産が出土しました。 『守貞謾稿』によると、この徳利は「貧乏徳利」 と呼ばれ、胴部には「釘書き」と呼ばれる酒屋の屋号などの刻字、 刻印が施されています。酒屋 から貸し出してもらって必要な分量の酒を購入するものであり、「通い徳利」とも呼ばれます。

 甕 瀬戸・美濃系(885号遺構出土)
 瀬戸・美濃系三の墨書甕です。甕には柿釉に灰釉が流し掛けられており、そこには釉薬が掛けられておらず、胎土が露出しています。
 そこに墨書があり、「嘉永七寅歳 六月吉日 飯田氏」と記されています。飯田氏は、本遺構の調査地点に当たる場所に当時(嘉永七(1854)年)住んでいたと考えられる旗本です。


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3.明かりの道具(灯火具)
・油受け皿
 油受け皿には、脚付きのものと脚が付いて いないものの二種類があります。いづれも受け皿の上に上皿を置いて使用します。上皿から滴り落ちた油を中央の油溜まりに回収して、再利用するための皿です。
・ひょうそく
 灯油を入れた容器に直接灯芯を入れて火を灯すようにした道具です。
・力ンテラ
 力ンテラは、張り出したロを持つ壺形を基本とする土器ないし陶器製のひょうそくの一種 です。身に灯油を入れ、張り出したロの先まで芯を通してロの先端で火を点しました。

4.瓦燈
 スリットと通気用の小さい孔を開けた釣鐘形の蓋と浅い円筒形の身とがセットになった照明具の一種です。蓋の上の部分と身の中央に皿形の突起がそなえられ、ここに灯盞(二枚重ねの皿)を置いて使用します。スリットの部分を回転させて明るさの調節をすることができます。

土製人形・ままごと道具・泥面子(885号遺構地下室出土)
 江戸時代のミニチュア土製品です。すべて江戸在地系製品(江戸で製作されたもの)であると考えられます。
 土製人形は、縁起物・節句物・教訓物など用途・性格は様々です。
 ままごと道具は、炊飯道具で、碗・皿・徳利・土瓶・土鍋などが出土しています。これらは主に子供が日常生活における作法や教養を身につけるためのものであると考えられます。
 泥面子は、「面打」という遊びをするためのものです。しかし、賭博に類する遊びとして幕府よりしばしば禁令が出されていました。


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宝永火山灰
 宝永火山灰は、富士山の宝永噴火(宝永四(1707)年)に降っだ火山灰です。江戸では、11月23日に、
白色の降灰があり、やがて黒色に変わり、3~5cm降り積もりました。
 宝永火山灰江戸全域で降灰しましたが、発掘現場での検出事例はそれ程多くはありません。その理由として、文献資料より江戸の人々が降り積もった火山灰を掃除したことが分かっています。大塚遺跡では、1109号土坑から堆積した宝永火山灰が検出されました。このことからこの土坑は、江戸の人々が降り積もった火山灰を掃き集めて捨てるために使用した遺構であると考えら れます。


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土管
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交通関係遺物
犬釘や東京市電危局発注の「電路」刻印煉瓦は大正、電気極マークの碗、バス停看板、行き先案内表示板などは昭和の物です。
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立ち入れないエリアにはまだブルドーザーが。バリバリの工事現場ですね。発掘工事とはいえ。
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おまけ。入口の足元に「東京都交通局」とかいた境界石がありました。もしかしてこれも貴重なものかも…。
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