エタノール

エタノール。エチルアルコール、エチルハイドレート、酒精。C2H5OH CAS No. 64-17-5

試薬のエタノールは、濃度や混合物により何種類かあります。

まずは95%のエタノールがあります。エタノールと水の混合物の蒸留を繰り返していっても、得られるエタノールは濃度がせいぜい96%程度にしかならず、どうしても水が入ってしまう「含水エタノール」です。これは共沸が起こるためです。

ところが、「無水エタノール」の濃度は、なんと99.5%。エタノールと水の混合物の蒸留を繰り返していっただけではできないはずのに、どうやってつくったのでしょうか。じつは、脱水剤としてn-ペンタンシクロヘキサンジエチルエーテルなどをまぜることでより高い濃度のエタノールを得ることができます。学生時代にシクロヘキサンではなくベンゼンを混ぜている、すわなち0.5%の不純物の中に有害なベンゼンがあるので99.5%のエタノールは飲んではいけない、という話を聞いたことがあるのですが、昔はともかく、あるいは実験室的製法としてはともかく、現在は工業的にはベンゼンと共沸させることはないようです。
ちなみに無水エタノールは開封後、すぐに空気中の水を吸って濃度が下がります。

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消毒用エタノールは、最も消毒効果が優れているエタノールの濃度が80%前後であるため、80%のエタノールとよく表示されています。
なお、ここでいう80%の「パーセント」は、中学校理科で使う質量パーセント濃度ではなく、体積パーセント(vol%)です。お酒なんかもこの体積パーセント濃度で示されています。含水アルコールの95%や無水アルコールの99.5%は質量パーセントなので、注意が必要です。質量パーセントと体積パーセントの換算は医薬品医療機器総合機構に換算表があります
体積パーセントでは約80ですが、質量パーセントでいうと70%前後がベストということになります。

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消毒用エタノールIPみたいに、消毒用エタノールの中で、IKとかIPとかついているものもあります。これは、消毒用エタノールの中でも、毒性がエタノールより強いIPAイソプロピルアルコール(イソプロパノール、2-プロパノール、プロパン-2-オール等の異名をもつ)CH3CH(OH)CH3を含んでいるため、飲用不適となり、酒税法の対象外となる。つまり、安い。
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病理染色用溶剤エタノール100というのもあります。大学の先生が退官して研究室がなくなるのでいらなくなったのを「あ、エタノールだ、実験で使える!」と思っていただいてきたのですが、エタノールは88.5%、他にIPAが11%、メタノール0.5%という配分。病理・細胞診標本を作製するときに染色や脱水で使うのですが、消毒用エタノールIPと同様に、効果はほぼ変わらないけれど、飲めないので酒税の対象外になるというアレです。
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