【水溶液とイオン02】原子の成り立ちとイオン(2) 


さて前回、
食塩にも精製水にも電流が流れないなら、それらを混ぜたところで電流が流れる要素はないはずだろ?なのにどうして食塩水に電流が流れるんだよ?
という壮大な疑問を提示しましたが、壮大な疑問なので簡単には説明できません。

なので、もう少し前回の実験を掘り下げていきましょう。

①食塩には電流が流れない
②水にも電流が流れない
③なのに、食塩を水に溶かした食塩水には電流が流れる

こう見てみると、こんな疑問(発想)がわいてこないでしょうか。
他の物質だったらどうなるんだろう。
これが最初の課題です。

課題:食塩ではなく、他の物質でも水溶液にすると電流が流れるのだろうか。


ってことで、手あたり次第の水溶液について、電流が流れるかどうか調べてみましょう。

やり方は簡単。
①電源装置-豆電球-ステンレス電極-電流計-電源装置 という回路をつくり、3~6V程度の電圧を加えます。
②ステンレス電極を水溶液に入れて電流が流れるかどうかを豆電球や電流計で確かめます。
③別の水溶液に変えるときには、ステンレス電極を精製水で洗いましょう。

砂糖水、つかない。
3190-1.jpg

うすい塩酸、つく。
3190-3.jpg

エタノール水溶液、つかない。
3190-2.jpg

雨水、びみょー。でも電流計を見るとちょっとは電流が流れている。
ポ●リ。案外電流が流れている。
などなど…。

以上より、どうやら電流が流れる水溶液と電流が流れない水溶液があるようです。
ということで、「水溶液にすると電流が流れる物質と水溶液にしても電流が流れない物質がある」ということがわかりました。これは「食塩ではなく、他の物質でも水溶液にすると電流が流れるのだろうか。」という課題に正対した結論になりますね。これにて一件落着です。

 なお、食塩(塩化ナトリウム)や塩化水素(水溶液「塩酸」の溶質)のように、水に溶かしたときに電流が流れる物質を電解質、砂糖やエタノールのように水に溶かしても電流が流れない物質を非電解質といいます。
 ここで「電解質」「非電解質」とよべるのは「食塩」「砂糖」のように、水に溶ける前の物質(溶質)を指すのであって、「食塩水」「砂糖水」のような水溶液を指すのではないので注意しましょう。「食塩水」や「塩酸」は「電解質(の)水溶液」という言い方になります。
 また、金属のように、水に溶かさなくても(そもそも水に溶けないけど)電流が流れる物質も電解質とは呼びません。もちろん、非電解質でもありません。

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【水溶液とイオン01】原子の成り立ちとイオン (1) 疑問

世の中には2種類の物質がある。電流が流れる物質と流れない物質だ。(映画のオープニング調に)
金属なんかは電流が流れる物質だ。一方、ガラスやゴムは流れない。

では、これらの物質はどうだろうか。

岩塩
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そして精製水。
3189-4.jpg


そう、どちらも豆電球はつかず、電流は流れない。
3189-1.jpg 3189-2.jpg

そうしたら、食塩(岩塩)を水に溶かした食塩水はどうなるだろうか。
できればここまでの結果をふまえつつ、事前に予想してほしい。





3189-3.jpg
豆電球がついた。電流が流れたわけだ。

・・・何かおかしな点に気づかないだろうか。
実験結果や実験のやり方には誤りはない。
しかし、「食塩には電流が流れない」「水にも電流が流れない」「食塩水には電流が流れる」この3つの事実を並べると…おわかりいただけただろうか。


あくまでもこの結果は間違いではありません。むしろそうならなかった方が実験としては失敗です。ところがそうであるからこそ、すでにこの先に学習内容もしっかり理解している人にとっては、この実験結果に隠されている妙な点にかえって気がつきにくいのです。下手をすると教えている先生までが、当たり前の実験結果だと思って気がついていないこともあるようです。

でも、すなおで頭をフル回転させながら授業を受けている初学者は「それおかしくない?なんで?」となります。

そういう感覚は大事で、できる人ほど(まして教える側は)失ってほしくない感覚です。



食塩にも精製水にも電流が流れないなら、それらを混ぜたところで電流が流れる要素はないはずだろ?なのにどうして食塩水に電流が流れるんだよ?

「化学変化とイオン」の最初のヤマは、この大きな課題を解決するために、小さな課題を解決しながら、核心に迫っていく構成となっているのである。つづく。
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